『正社員→フリーランス→ブランク2年』という経歴を辿った30代SEが正社員転職を行った話について書いていきます。結論を先に書くと、無暗に転職活動を行っても無駄に時間を浪費するだけです。
転職活動開始時の状況
転職活動開始時の状況は以下の通りです。
- ブランク2年
- 自己学習期間(リハビリ)1ヵ月
要するに、ブランク期間中にSEに関わる活動は全くしていません。強いて言えば、転職活動を始めることを決めてからコーディングしたくらいです。
ブランク期間が長くなり、年齢を重ねるほど転職は厳しくなります。後々に後悔することが目に見えたため、一念発起で活動を始めたわけです。
転職活動の進め方
- 職務経歴書、履歴書を更新
- 転職サイト、転職エージェントに登録
- 気になる求人に応募
- 書類、面接等の選考を受ける
職務経歴書、履歴書に関してはフリーランス時に作成していたので、最新版に更新をして転職サイト・エージェントに片っ端から登録しました。
まだ作成できていない場合は、まずは転職エージェントへ登録すると良いと思います。エージェントサービスでは、適宜面談で求職者の意向をヒアリングしたり、書類作成のサポートを行ってくれます。エージェントとの面談を通じて、転職活動に関する考えがまとまってきますので、単独で行動するよりも準備がはかどります。また、複数のエージェントを利用すると、それぞれ異なったアプローチでヒアリングしてくるので、自身の考えがより言語化され確立されていきます。
準備が終わり求人へ応募していきました。ただ、結果としてはほとんど書類選考落ちでした。書類選考を通過し二次面接まで進んだ企業もありましたが、求人に記載されていた業務内容と相違があったため辞退しています。
今回、希望していた条件は下記2点です。
- 社内システムや自社サービス等の自社開発
- フルリモートもしくは、週3以上リモート
実際に活動してみての所感としては、私の希望する条件を満たす企業では書類選考落ち、条件を緩めれば面接まで進めるといった感じでした。ただし、条件を満たせないのであれば正社員を目指す意味もないので、私の正社員転職は終了することにしました。
正社員転職を断念した理由
企業側視点でのリスクの大きさ
私の場合、『正社員→フリーランス→ブランクあり』という経歴であり、加えて30代と即戦力を求められる年齢になっています。
企業側が採用を行う上で求める基準としては、こんなところだと思います。
- すぐ辞めずに続けてくれるか
- 社内の風土になじみ、問題を起こさないか
- 企業の求める人材への成長、ポテンシャルはあるか
- (年齢によっては)即戦力となるか
企業はお金をかけて採用活動を行っていますから、すぐに辞められては損失になります。また、中小以上の規模になってくると、社内の規則や人間関係などの企業独自の環境が構築されていますので、ここに馴染めない人を採用すると、既存環境が破壊される恐れがあります。そのため、まずは人柄という部分が採用に大きく関わってくると思います。
人柄は直接会って話すことで分かってくる部分でもありますが、数多くいる求職者一人一人と会うほど人的・時間的リソースは割けません。そこで、経歴やポートフォリオなどから足切りをしていくことになります。
私の場合、『正社員→フリーランス』という部分で、長く続かないのではないか、自我や主張が強く馴染めないのはないかといったリスクが懸念されます。さらに、30代と経験・即戦力が求められる年齢でありながら、ブランクがあり仕事ができないのではないかというリスクもあります。
例えば、20代の微経験と比較した場合、経験で劣っていたとしても若さ故の伸びしろや吸収力といった将来のポテンシャルの部分がプラスの評価となり、20代の方を優先して選考を進めるでしょう。
私が転職を成功させることを考えた場合、自身よりも評価が低い求職者が多い求人へ応募する必要があります。具体的には、未経験歓迎求人や福利厚生・待遇が悪い求人など、実務経験ありの求職者が避けるような求人です。
どこでもいいから正社員になりたいわけではない
私が今回、希望していた条件は下記です。
- 社内システムや自社サービス等の自社開発
- フルリモートもしくは、週3以上リモート
リモートで仕事するだけであればフリーランスでも成り立つわけですが、自社開発に携わりたい気持ちがあったため正社員転職を考えました。自社開発に関われない、ないしは待遇が不明瞭になるなら正社員を目指す意味がありません。
正社員のデメリット>フリーランスのメリット
前述の通り、私が正社員を目指すうえで目的にしていた自社開発、リモート作業という点を満たした転職が行えないと判断しました。
正社員を目指すうえでネックになるのが退職歴とブランクになるわけですが、業務委託(フリーランス)であれば仕事ができることさえ客観的に証明できれば良いです。SEであれば、ポートフォリオにコードや設計資料などを載せておけばイメージしてもらえると思います。もし相手が求めている水準に届いていない場合は、単価を平均よりも下げて交渉することも可能でしょう。
正社員と違い、特定の期間・業務を明確にしたうえで契約するため、正社員のハードルである無期雇用の採用リスクが無くなります。また、契約期間中であっても切りやすいため企業からすると使いやすいわけです。
もちろん不安定な状況が続くことにはなりますが、報酬を妥協することで自由の効く働きができるのであれば、個人的にはフリーランスのメリットの方が大きいです。
そのため、正社員転職を断念しました。
希望条件の妥協を重ねれば可能だが…
ここまで私の転職活動を書き殴ってきましたが、ブランクありで転職が絶対にできないという話ではありません。あくまで私個人として正社員になるメリットがなくなったというだけです。
私と同じように退職歴あり、ブランクありで正社員転職するなら、希望条件を全て満たす結果を得るのは至難です。余程の運がなければ、結果が出ないまま長期に及ぶでしょう。
とにかく正社員になりたいと考えているなら、応募者が少なく競走率の低い企業を狙いましょう。例えば、未経験歓迎の企業、SES企業、福利厚生・待遇の悪い企業などです。
未経験歓迎の企業はとにかく人を集めるために求人を出していることが多く、また未経験者が競走相手になるためブランクがあれど経験があれば勝ちやすいです。
SES企業や福利厚生・待遇の悪い企業は、出向先によって環境が変わり、自身の希望する仕事・働き方ができないリスクがあるため、自社勤務と比較すると競争率は低いです。
ともあれ、転職活動がうまくいっていない場合は、身の丈にあっていない求人に応募している可能性が高いため、改めて考え直す必要があるでしょう。
転職エージェントサービスで資料のブラッシュアップ
私の場合、フリーランス時に作成していた履歴書・職務経歴書があったため、これらを使用しました。
まだ作成していない場合は、エージェントサービスを利用すると良いです。一人で準備するよりもはかどります。
- エージェントの担当者と会話することで転職活動の方向性を明確にできる
- 履歴書・職務経歴書を作成をサポートしてくれる
実際にエージェント経由で活動するかは、担当者との面談を終えてから考えれば良いです。私は3つほど利用しましたが、どれも応募を強要してくることはありませんでした。進め方や連絡頻度に関しては担当者によりけりなので、相性はあると思います。
- Type転職エージェント
- doda
- リクルートエージェント
今回利用したエージェントサービスは上記3つです。
また、準備が終わったら転職サイトを通じて自己応募も並行して進めていきましょう。エージェント経由だと企業側が手数料を負担することになるため、小規模な企業は転職サイトで採用活動を行っていることが多いためです。
転職サイトに求人を出している企業では、カジュアル面談を実施していることが多いです。特に、退職歴あり、ブランクありといった採用リスクがある場合は、自己応募からカジュアル面談を通じて人柄を知ってもらうことで選考の通過率が高くなります。
- 転職サイトgreen
- paiza転職
- indeed
今回利用した転職サイトは上記3つです。