個人事業主・フリーランスとして事業を始めると、様々な場面でハンコ・印鑑を押す機会が出てきます。
- 屋号なしでも事業用ハンコ・印鑑は必要?
- どんな種類のハンコ・印鑑を用意すればいい?
いざというときに、このように疑問を感じてしまうものです。
屋号ありで事業を行っていれば、屋号付きのハンコ・印鑑が必要であることが分かります。しかし、屋号なしとなると、『個人名で活動するのだから要らないのでは?』と考える方も多いのではないでしょうか。
プライベートで使っているハンコ・印鑑を使用しても、法的な問題は特にありません。しかし、取引するということは、必ず相手企業が存在します。法的に問題なかったとしても、取引相手からの印象が悪くなってしまえば、仕事に支障が出てしまうかもしれません。
取引相手となる企業は、対法人との契約に慣れていますから、契約書などにプライベートで使っているようなハンコ・印鑑が押されていると、相対的に印象が悪くなってしまうこともあります。
また、それ以外にもプライベートとの兼用では、管理上の問題も出てきます。
本記事では、屋号なしの個人名で活動している個人事業主・フリーランスでも、事業用ハンコ・印鑑を用意するべきなのかを説明していきます。
普段使っている個人のハンコ・印鑑でも問題ないが…
- 個人事業主・フリーランスは、開業時に印鑑登録が必要ない
- 取引に関する書類への押印は、法的拘束力がない
- 法的には、認印でも問題ない(そもそも義務ではない)
このような理由から、プライベートで利用している個人のハンコ・印鑑でも問題ありません。
とはいえ、法的な観点以外で問題になるケースがありますので、理解したうえで判断した方が良いでしょう。
紛失したときのリスクが大きくなる
特に問題になるのが、銀行印でしょう。
事業を始めると確定申告が必要となりますので、多くの方が事業用の口座を開設するはずです。事業の支出を管理するには、プライベートと分けないと煩雑になってしまいますし、税務調査時にプライベートなお金の流れまで見られることになるからです。
事業の口座を分けるとしても、プライベートと同じ銀行印を使うことは可能です。しかし、銀行印を紛失したときに、プライベート・事業用口座どちらも不正利用の被害にあう可能性がありますので、銀行取引を一時的に停止する必要が出てきます。そうなると、新しい印鑑を登録するまでは、利用できなくなってしまうのです。
お金の発生する取引は中断することになりますし、何より取引先からの信用低下も招いてしまう事態です。
こうしたことから、銀行印をプライベートと事業用口座で兼用することは、リスクが大きくなってしまう要因となります。
取引先からの印象が悪くなる場合がある
契約に関わる書類には、丸印を押すことになります。プライベートで使用しているハンコ・印鑑は、大量生産されているものがほとんどでしょう。
取引先にとって、取引相手が個人事業主・フリーランスであろうと、契約して仕事を任せる以上、対法人と同じように接してきます。
法人であれば、当然に事業用のハンコ・印鑑を持っていますし、契約に関わる重要な書類にも事業用のハンコ・印鑑を使用します。こうした流れに慣れている人から見れば、大量生産されているようなハンコ・印鑑というのは、相対的に印象が悪くなってしまいます。
ご自身が個人事業主・フリーランスと契約する際に、大量生産されているようなハンコ・印鑑が押されていたら、どう感じるかをイメージしてみましょう。事業用のハンコ・印鑑を押されていた方が良いと感じる方が多いのではないでしょうか。
個人事業主・フリーランスは、会社員とは違い個人を前面に出して取引を行っていきます。たかがハンコ・印鑑とはいえ、余計な信用低下を招いてしまう要因になってしまうのです。
少し投資するだけで、余計なリスクを回避できる
プライベートと事業用で兼用するリスクをお話してきました。もちろん、これらを踏まえたうえで、兼用すると決めても良いわけです。
ハンコ・印鑑は、安いもので数千円~、それなりのもので1万~2万程度で揃えられます。一度作ってしまえば、雑に扱わない限り、すぐに壊れるものでもありません。
少し投資するだけで、余計なリスクを回避できますので、少しでも不安に感じたなら、プライベートと事業用で分けておくことをオススメします。
作るべき事業用ハンコ・印鑑の種類
- 個人名の丸印(実印)
契約書、請求書などの契約に関わる書類に使用する - 銀行印
事業用の銀行口座を開設するときに使用する
この2つを作っておけば十分です。
個人名の丸印(実印)
契約書、請求書などの契約に関わる書類に使用するハンコ・印鑑になります。
個人事業主・フリーランスは、法人ではなく個人として契約しますので、個人名で作成します。各種書類に使用する、事業用の認印のような扱いです。
もちろん、実印登録すれば、個人の実印として利用できるようになります。取引先から実印を指定されたり、融資や不動産売買などで必要になることがありますので、実印登録しておくと良いでしょう。
一つ注意点として、このときの実印登録は『個人の実印登録』となります。そもそも、実印登録には『個人の実印』と『法人の実印』の2つがあります。個人事業主・フリーランスは、法人ではありませんので、『個人の実印』となるのです。
事業用口座の銀行印
事業用口座を開設するときに登録するハンコ・印鑑になります。
個人事業主・フリーランスの場合、事業用口座を作る決まりがあるわけではありませんが、確定申告のためにお金の流れを明確にする必要があります。
もし、プライベート用口座で事業のお金をやり取りすると、事業のためのお金の流れを仕訳しなければいけなくなります。また、税務調査が行われた場合に、プライベートの支出を含めて見られることにもなってしまいます。
こうしたことからも、事業用口座を作成することをオススメします。
ハンコ・印鑑が必要となる場面
開業届や確定申告(税制改正により、2021年4月から廃止)
元々、申請書への捺印が必要でしたが、税制改正により、2021年4月から廃止されました。
契約書や請求書など
屋号なしの個人名で活動していれば、全て個人名の丸印で問題ありません。
融資や不動産売買など
個人の実印が必要となる場合があり、印鑑証明書の添付が求められることもあります。
ハンコ・印鑑はネットでの購入がお得
私も実際に利用した「はんこプレミアム」が、格安で品質も良いことからオススメです。
ここまで、個人事業主・フリーランスにとって、『事業用ハンコ・印鑑は必須ではないが、あった方が良い』というお話をしてきました。(事業用のハンコ・印鑑を持っている方が印象が良い。)
言い換えると、『印象が悪くならない程度のハンコ・印鑑があれば良い』ということにもなります。つまり、高価なハンコ・印鑑を購入する必要はないということです。
他にも有名なハンコ・印鑑の販売サイトに「ハンコヤドットコム」がありますが、「はんこプレミアム」の方が数千円~半額程度安く購入できます。
「はんこプレミアム」は、もともと卸業者であり、広告も出していないことから経費を抑えることで安さを実現しています。したがって、安いからと言って品質が悪いというわけでもありません。
以上のことから、『事業用のハンコ・印鑑の必要性は分かったけど、出来るだけ費用を抑えたい』と感じた方には、「はんこプレミアム」をオススメします。
まとめ:屋号なしでも事業用ハンコ・印鑑はあった方が良い
屋号のない個人事業主・フリーランスにも、事業用のハンコ・印鑑が必要なのか説明してきました。
屋号がないということは、何をするにしても個人名で活動していくことになります。屋号があれば、屋号付きのハンコ・印鑑が必要だと考えられますが、『屋号なしであればプライベートと兼用でもいいのでは?』と感じる方も多いのではないでしょうか。
- 紛失時のリスクが大きくなる
- 取引先からの印象が悪くなる場合がある
以上の理由から、事業用のハンコ・印鑑は分けておく方が良いでしょう。
1つ目の紛失に関しては、特に銀行印を紛失したときに、事業用口座の利用を停止することになるため、取引を中断する必要が出てきます。また、停止するまでの間に悪用される危険性もあります。
2つ目の取引先の印象に関しては、取引先の多くは法人との契約に慣れていますので、プライベートでも使用しているようなハンコ・印鑑というのは、相対的に印象が悪くなります。重要な取引を行おうとしているときに、どちらが良いかと聞かれれば、ほとんどの方が『事業用のハンコ・印鑑が良い』と感じるのではないでしょうか。
まとめると、屋号なしの個人名で活動していたとしても、プライベートと兼用すると余計なリスクが発生してしまうことになります。
少しの投資をするだけで、余計なリスクを回避できますので、事業用のハンコ・印鑑を用意しておくことをオススメします。
高価なハンコ・印鑑を購入する必要はありません。実際に私も利用しましたが、低価格で品質の良いハンコ・印鑑は「はんこプレミアム」で購入できます。特にセット購入(個人実印+銀行印など)がお得なので、費用を抑えて揃えたいという方にオススメです。