個人事業主・フリーランスの方で、『手間がかかるけど会計ソフトを導入するか迷っている…』という方も多いのではないでしょうか。
会計ソフトと聞くと、法人用のものを想像しやすいですが、個人向けの会計ソフトも提供されています。個人向けであれば、月額1,000円前後から利用できますので、費用的な負担もそれほど大きいものでもありません。
なによりも、会計ソフトを導入することで以下のようなメリットが得られます。
- 帳簿付けにかかる負担を軽減できる
- 自動化により人的ミスを防げる
- デジタル化推進による改正への対応も安心
ただ手間を減らせるだけでなく、メリットは思っている以上に多かったりします。(なぜこのように言えるのかは、記事内で説明しています。)
もちろん、時間をかけてご自身で行っても良いわけですが、デジタル化が進むにつれて、満たすべき要件が厳しくなっていくことも予想されます。例えば、令和4年1月から施行される電子帳簿保存法の改正が良い例です。
この改正により、電子データの資料を紙で保存することが出来なくなり、一定の規則に従い、電子データとして保存することが義務化されます。つまり、今まで以上に帳簿付け(確定申告への備え)による負担が大きくなるということです。
個人事業主・フリーランスの方は、全てご自身で対応する必要がありますし、事務的な作業が増えることにより、本業への影響も懸念されます。事務的な作業に時間を使うよりも、本業へ時間を費やす方が効率的です。
以上のようなことから、個人事業主・フリーランスの方でも、会計ソフトを導入するメリットが大きいのです。
- 会計ソフトの必要性
- 会計ソフトの種類
- 会計ソフトの選び方
本記事では、以上のことを説明していきますので、ぜひ参考にご覧ください。
個人でも会計ソフトが必要な理由
- システム上でポチポチするだけで記帳できる
- 銀行口座やクレジットカードとの連携で自動化できる
- 確定申告書も印刷するだけ or 電子申告で完結
- 今後、さらにデジタル化が進んでいく
会計ソフトを導入する最大のメリットは、面倒な帳簿付け作業を自動化して簡単に出来ることです。もちろん、完璧に自動化することは難しいですが、訂正が必要だったとしても、システム上でポチポチするだけで完了します。
なぜ帳簿付けをするのかを振り返ると、確定申告をするためです。したがって、帳簿付けするだけではなく、確定申告書の作成も必要となってきます。これも、会計ソフトを使えば、登録されているデータを基にして自動で作成してくれますので、利用者は印刷 or 電子申告するだけで良くなります。
これらは、単純に面倒な作業を減らすだけのようにも見えますが、間違いをしづらい環境を整えるというメリットもあります。システム上から記帳を行えば、一定の規則に沿って入力することになりますし、口座・クレカとの連携や確定申告書の作成により自動化することで、人的ミスを減らすことに繋がるからです。
それ以外にも、デジタル化(ペーパーレス化)が推進されていることも、会計ソフトを導入した方が良い理由の一つです。例えば、令和4年1月から電子帳簿保存法の改正により、電子データとして受け取った書類の紙での保存ができなくなります(※)。こうした法改正にも、会計ソフトはアップデートして対応してくれますので、利用者は会計ソフトの使い方さえ覚えてしまえば良いのです。
※2年の猶予期間あり
まとめると、以下のようなメリットがあることが、個人でも会計ソフトの利用が必要な理由です。
- 面倒な作業の手間を減らす
- 自動化することで人的ミスを減らす
- 法改正への対応も会計ソフトに任せる
会計ソフトの種類は2つ
会計ソフトには、2種類あります。
- パッケージソフト
PCへのインストールが必要でインターネット接続がなくても使用可能なことが特徴です。 - クラウドソフト
クラウド上で動作するため、インターネット環境が必須ですが、どのPCからも利用できることが特徴です。また、会計ソフトが対応していれば、スマホからでも利用できます。アップデートも利用者側での作業は必要なく、自動でアップデートされます。
パッケージソフト | クラウドソフト | |
---|---|---|
利用料金 | 購入費用(+サポート費用) | 月額・年額 |
インストールの有無 | 有り(アップデート作業も必要) | 無し(アップデート作業が不要) |
インターネット接続 | 無し ※一部機能で必要な場合あり | 有り |
利用できる端末 | インストールPCのみ | インターネット接続できる端末 |
断然、クラウドソフトがオススメ
- 隙間時間にコツコツと作業できる
- デジタル化が進んでいく
クラウドソフトをオススメする理由は上記の通りです。
クラウドソフトの最大のメリットは、端末や場所にとらわれず利用できることです。インターネットに繋がれば、どのPCやスマホからでも利用できますし、スマホなら移動時間や隙間時間に記帳しておくことも出来ます。
帳簿付けの作業は、報酬が発生することでもありませんし、本業を優先すると後回しにしがちです。いざ確定申告の時期が迫ってきたころに始めると、まとまった時間が必要となりますし、記憶もあいまいになっていることもあります。
また、個人事業主・フリーランスの方は、仕事のその時々で状況が大きく変わると思いますので、もしかしたら確定申告の時期に多忙となっているかもしれません。そうすると、本業+確定申告の準備でさらに忙しくなってしまいます。
こうしたことからも、空いた時間にコツコツと利用できるクラウドソフトの方が、個人事業主・フリーランスの方にはオススメです。
それに、デジタル化が推進されていますので、今後もペーパーレス化が進んでいくことが予想されます。デジタル化が進むほど、データとしての保存が可能なクラウドサービスの需要も大きくなっていきますので、今のうちにクラウドサービスへの理解を深める意味でも、クラウドソフトを利用しておいた方が良いでしょう。
クラウドソフトなら「弥生」「freee」「MFクラウド」の三択
クラウドの会計ソフトのシェアのほとんどが、以下3つで占められています。
「弥生」は、元々パッケージソフトを販売していたこともあり、高いシェアを誇っています。「freee」「MFクラウド」は、クラウドソフトの提供のみですが、それだけクラウドに特化した会計ソフトとなっています。
最も会計ソフトの実績のある「やよいの青色申告オンライン」、クラウドソフトに特化した「freee」「MFクラウド確定申告」という形です。いずれも、必要十分な機能が備えられていますので、どれを利用しても問題ありません。
個人的な意見としては、「MFクラウド確定申告」をオススメします。実際に私も利用していますが、「MFクラウド」では、経理に関するクラウドサービスを複数提供しており、連携できるようになっています。個人事業主・フリーランスの方は、こうした事務的な作業もご自身で行う必要がありますので、「MFクラウド」が提供するサービスを組み合わせることで効率化できるのです。
最終的には、使い勝手で選ぶ
最終的には、実際に利用して選んだ方が良いでしょう。
会計ソフトによって、操作性が変わってきますし、ご自身の経理に関する知識量によっても使いやすさは変わってきます。要するに、人によって『freeeの方が使いやすい』という方もいれば、『MFクラウド確定申告の方が使いやすい』という方もいるということです。こればかりは、実際に使ってみないと判断できません。
どの会計ソフトも、無料で登録・お試し利用できるようになっています。有料プランへの加入をしなければ、費用が発生することもありませんので、試しに利用して比べてみることをオススメします。
まとめ:帳簿付けの時間を減らして、本業に集中した方が効率的
個人事業主・フリーランスの方でも、会計ソフトを導入するべき理由やオススメの会計ソフトを説明してきました。
会計ソフトを導入するべき理由として、以下を挙げました。
- 面倒な作業の手間を減らす
- 自動化することで人的ミスを減らす
- 法改正への対応も会計ソフトに任せる
手間を軽減することは容易にイメージできますが、法改正への対応も見逃せません。今後も、どんどんデジタル化が進んでいくことが予想されます。そうなると、令和4年1月から施行される電子帳簿保存法の改正と同じように、満たすべき要件も設けられ、手間も増えていくでしょう。
こうした背景からも、個人事業主・フリーランスの方も、本業に集中するために会計ソフトを導入するべきと言えます。
また、会計ソフトには、パッケージソフトとクラウドソフトの2種類があり、クラウドソフトの方がオススメというお話もしました。
個人事業主・フリーランスの方は、仕事の状況が大きく変わると思いますので、確定申告の時期にまとめて準備すると、本業に支障が出てしまうかもしれません。
クラウドソフトであれば、PCはもちろん、スマホからも利用できますし、日常の中に取り入れやすくなります。普段からやっていれば、確定申告の時期に慌てる必要もありませんので、こうしたことからもクラウドソフトがオススメです。
それに、今後デジタル化が進むにつれて、クラウドサービスが浸透していくことも予想されますので、今のうちに慣れておいた方が良いでしょう。
クラウド会計ソフトは、3つがほとんどのシェアを占めています。それぞれ、ネットの評判・口コミからどんな方にオススメなのかまとめます。
- やよいの青色申告オンライン
- パッケージの弥生を使ったことがある
- シェアが高い方が安心できる
- freee
- 簿記に関する知識があまりない
- とりあえず帳簿が付けられればいい
- MFクラウド確定申告
- 簿記に関する知識がそれなりにある、もしくは学んでいく予定がある
- 帳簿のみならず、他の経理作業も一緒に管理したい
ただし、人によって使いやすさの感じ方は変わってきますので、最終的には実際に利用して比較してみることをオススメします。どれも無料で登録できて、お試し期間がありますので、有料プランへ切り替えなければ、費用が発生することもありません。
色々と試すのが面倒という方には、私も利用している「MFクラウド確定申告」がオススメです。帳簿以外にも、他のサービスと連携することで経理作業が一元管理できることがメリットです。