初めて暗号資産の取引所を利用するときに『どの取引所を使えばいいのか分からない…』、コインチェックの利用を考えていて『検索候補に「危ない」と出てきて不安…』という方もいるかと思います。
このような方向けに、以下のことをお話していきます。
- なぜコインチェックの検索候補で『危ない』と出てくるか
- コインチェックを実際に利用して感じたメリット・デメリット
先に結論だけ述べると、『使い勝手は初心者向けではあるが、短期的な売買におけるスプレッドに注意が必要』です。
では、順番に見ていきましょう。
なぜコインチェックの検索候補で『危ない』と出てくるか?
コインチェックの検索候補に『危ない』と出てきて気になった方もいると思いますので、『コインチェックは安全な取引所であるのか?』という点について先にお話します。
コインチェックは、過去2018年に約580億円相当の暗号資産を流出したことがあります。その後、被害を受けた方に対して日本円での返金・東証一部上場企業マネックスにより買収されました。
確かに、流出事件を起こしてしまったことは問題ではありますが、国内最大級の取引所へと復活を遂げたことは評価するところでしょう。
また、親会社となったマネックスは証券も扱っており、セキュリティにも長けています。マネックスの傘下に入ったことは、より安全に利用できる取引所になったと言えます。
実際に使って感じたメリット
安全性の確保に努めている
流出事件を起こしたことがあること、マネックスの傘下になったこともあり、セキュリティには一層力を入れているようです。
- 経営資産とユーザーからの預かり金の分離管理
→ユーザーの資金が経営に利用されることはない - 全通貨のコールドウォレット対応
→ネットワークと切断して管理することで、ハッキングのリスクを低減する - SMS・認証システムによる2段階認証
→パスワードが盗難・推測されても、本人の端末でのみ認証が行える - SSL通信
→サーバーとの通信の暗号化 - パスワードをハッシュ化
→特殊な計算式を用いており、不正に復元することが困難な仕組み - 本人確認の徹底
→リアルタイムで本人確認書類と顔認証を行うため、偽造することは困難な仕組み
主に以上のような対応を行っています。
ユーザー自身が詐欺などに合わないように気を付けていれば、大きな問題が発生するリスクは小さいと言えます。
販売所・取引所の手数料が無料
販売所・取引所の手数料が無料で取引を行えます。
ただし、販売所に関しては、スプレッド(買値と売値の差)が実質的な手数料となるため、注意しておかないと損失を生むことになります。もう少し詳しい話は、デメリットの見出しでお話しています。
長期的に保有するのであれば、スプレッドはそれほど気にするものではありません。しかし、短期的な取引を考えているなら、取引所を利用する方が良いです。
なお、BTC(ビットコイン)の取引を考えているなら、手数料無料かつ取引所で売買できるのでお得です。
- 短期的な取引で利益を得たい
→取引所に売買したい銘柄があるか - 中長期的に値上がりするまで保有する
→取引所・販売所に売買したい銘柄があるか
以上のような基準でコインチェックの利用を検討すると良いでしょう。
2022年5月時点で、以下の通貨が取引可能です。
取引所/販売所 | 銘柄 |
---|---|
取引所 | BTC(ビットコイン) ETC(イーサリアムクラシック) MONA(モナコイン) PLT(パレットトークン) |
販売所 | BTC(ビットコイン) ETH(イーサリアム) ETC(イーサリアムクラシック) LSK(リスク) XRP(リップル) XEM(ネム) LTC(ライトコイン) BCH(ビットコインキャッシュ) MONA(モナコイン) XLM(ステラルーメン) QTUM(クアンタム) BAT(ベーシックアテンショントークン) IOST(アイオーエスティー) ENJ(エンジンコイン) OMG(オーエムジー) |
振込による入金手数料が無料
入金方法は3種類ありますが、その中でも銀行振込による入金手数料が無料となっています。振込手数料はユーザー負担ですが、多くのネットバンクでは回数限定で振込手数料が無料だったりしますので、活用すれば振込から入金まで無料で行えます。
他にも、コンビニ入金やクイック入金(ペイジー)といった入金方法もありますが、これらは金額により770円~の入金手数料がかかります。
頻繁に入金を行う場合は、ネットバンクの振込手数料無料を活用しましょう。
使いやすいインタフェース
暗号資産の売買やチャートの見方など、視覚的に操作しやすいインタフェースとなっています。入金や暗号資産の購入といった操作も、簡単にクリックしていくだけで行えます。逆に簡単過ぎるので、取引が発生するタイミングの操作は慎重に行った方が良いです。
実際に、暗号資産の取引所を初めて利用しましたが、操作に困ることはありませんでした。
取引所はトップページから、入金や暗号資産の購入といった他の操作はメニューから操作可能です。
実際に使って感じたデメリット
取引所で扱える銘柄が少ない
販売所で扱える銘柄は多いですが、取引所では4種類だけです。
- BTC(ビットコイン)
- ETC(イーサリアムクラシック)
- MONA(モナコイン)
- PLT(パレットトークン)
例えば、ETH(イーサリアム)を売買したいと考えている場合、販売所でしか扱っていません。しかし、販売所での売買は、多額のスプレッドが発生する可能性があります。
そもそもスプレッドとは、『買値』と『売値』の差のことを言います。例えば、同時刻において、「買値:270,000円」「売値:250,000円」だった場合、『買ってすぐに売ると2万円の損失』になります。(スプレッドの幅は相場により変動する)
要するに、「買値=売値」ではないということです。販売所で購入するときには、『販売業者が提示している買値・売値』で売買することになるため、スプレッド(=実質的な販売業者の利益)が発生する仕組みとなっています。
したがって、上記の例の場合、ユーザーが利益を出すには『売値が270,000円以上になったときに売る』必要があるわけです。
一方、取引所では、ユーザー同士が直接取引を行うため、このようなスプレッドは少なく済みます。というのも、ユーザーが希望する売値と買値をマッチングする仕組みになっているからです。例えば、『2万円分のETHを買いたい』ときには、『2万円分のETHを売っているユーザーから買う』ということです。
もし、『目的の銘柄が販売所にしかなく』、『短期的な取引』を考えているなら、コインチェック以外の取引所も検討した方が良いでしょう。
まとめ:使い勝手は初心者向け、取引所の銘柄が少ない
コインチェックを実際に利用してみて感じたメリット・デメリットについてお話してきました。
結論としては、『使い勝手は初心者向けではあるが、短期的な売買におけるスプレッドに注意が必要』です。
初心者でも分かりやすいインタフェースをしているので、使い勝手はとても良いです。また、入金や暗号資産の売買にかかる手数料が無料である点もメリットです。
ただし、販売所での売買はスプレッド(=実質的な販売業者の利益)が発生するため、短期的な取引で利益を出したい方は注意が必要です。
ETH(イーサリアム)を始めとした、取引所で扱っていない銘柄を『短期的』に売買したいなら他の取引所の利用も検討しましょう。
一方、BTC(ビットコイン)を始めとした、取引所で扱っている銘柄を売買するなら、手数料が無料なのでお得に取引が行えます。また、長期的に保有するなら、スプレッドはそれほど気にするものではありません。
- 短期的な取引で利益を得たい
→取引所に売買したい銘柄があるか - 中長期的に値上がりするまで保有する
→取引所・販売所に売買したい銘柄があるか
以上のような基準でコインチェックの利用を検討すると良いでしょう。